離婚にともなう「財産分与の登記」を放っておくとどうなる?期限やリスクを解説(司法書士)
離婚時の取り決めで、夫婦で買ったマイホームをどちらか一方の名義にすることが決まったとき、「名義変更の手続き(財産分与の登記)」を後回しにしていませんか?
「離婚届を出したから一安心」「そのうちやればいいや」と放置していると、将来、家を売却することも、次の世代へ相続することもできなくなる大きなリスクを背負うことになります。
今回は、財産分与による名義変更を放っておくリスクと、手続きの期限について司法書士がわかりやすく解説します。
財産分与の登記を放置する3つの大リスク
「離婚したから、この家は自分のもの」と思っていても、登記簿上の名義が元配偶者のままであったり、共有名義のままであったりすると、法的には自分の所有権を完全に主張できません。放置すると次のようなトラブルに発展します。
① 元配偶者と連絡が取れなくなり、手続き不能に
財産分与の登記は、基本的に元夫婦「二人で」共同して申請する必要があります。 離婚直後は「いつでも協力するよ」と言ってくれていても、数年が経ち、元配偶者が再婚したり引越しをしたりすると、連絡がつかなくなるケースが多発します。相手の協力が得られなくなると、最悪の場合、裁判を起こさなければ名義変更ができなくなってしまいます。
② 家を勝手に売却・処分される恐れがある
登記名義が元配偶者のままになっていると、元配偶者が勝手にその不動産を第三者に売却したり、借金の担保(抵当権の設定)に入れたりすることが可能になってしまいます。もし第三者に売られて登記まで移されてしまうと、原則として家を取り戻すことはできません。
③ 元配偶者の「債権者」に差し押さえられる
元配偶者が離婚後に借金を抱えたり、税金を滞納したりした場合、その債権者(銀行や国など)は、元配偶者名義の不動産を差し押さえることができます。「もう離婚しているから関係ない」という言い分は、登記簿の名義を変更していない以上、通用しません。
財産分与の請求には「2年」の期限がある
法律上、離婚後に財産分与を「請求できる期間(除斥期間)」は離婚成立から2年以内と定められています。
すでに話し合いがついており「財産分与契約書」や「離婚給付公正証書」が手元にある場合は、2年を過ぎても名義変更の登記自体は可能です。しかし、前述した「連絡が取れなくなるリスク」や「差し押さえのリスク」は日ごとに高まるため、2年と言わず、離婚後、速やかに登記を行うのが鉄則です。
まとめ:安心した新生活のために、登記は「離婚直後」に!
離婚の手続きは精神的にも体力的にもエネルギーを使うため、登記まで手が回らないというお気持ちはよくわかります。しかし、マイホームという大切な資産を守り、本当の意味で再スタートを切るためには、名義変更まで完了させることが不可欠です。
「相手と連絡を取りたくない」「必要書類がわからない」という方は、ぜひ一度、司法書士にご相談ください。当事者間の不要な摩擦を避け、スムーズな名義変更をサポートいたします。
