
企業における生産性の向上は至上命題なので、取組みを行っていて当然なのですが、いかに売上利益を上げていくのかということに特化し過ぎていて、法務面からすればまだまだやることが結構あると感じられるので、今回はそのことについて書きたいと思います。
まずは、これも収益向上につなげるものですが、新規事業があります。現行の人材リソースで新規事業を立ち上げられれば、言うことはありませんね。そのためには、現在の業務を点検して、その関連事業としてできることはないかと検討することです。
例えば、製造業であれば、業務上発生した廃棄物について、業者を介して処分していると思いますが、自社で廃棄物を処理してしまえばその分の経費が圧縮でき、そのために取得した許認可によって、取引先から廃棄物処理の業務を受注することも可能になってくるのです。
これは、何も廃棄物処理場を必ずしも新設するということではなく、収集運搬だけを業として行うこともできる、ということです。製造場の場所によっては、中間処理も可能になりますので、検討の余地はあると思います。
次に、生産性の向上に大きな寄与をするのが「雇用対策」です。
企業の収益モデルは、社長をはじめ経営幹部が創り出してきたものですが、日々の売上利益を作っているのは一人ひとりの従業員です。
従業員は給与のために働いている訳ですが、働きやすい職場とそうでない職場では、そのパフォーマンスに差が出るのは当然のことです。
だから雇用対策が必要になるのです。具体的には、働き方改革、両立支援、セクハラ・パワハラ対策、非正規雇用労働者制度改善など、多岐にわたります。
そして、最後に重要なのがコンプライアンス対応です。
社内の全ての業務や制度などを全て再点検して、それぞれが対応する法令に定められている内容を順守しているか、法改正などによって対応が必要になっていないか、就業規則や社内規定に不足や不備がないか、などについて検討をしなければなりません。
幹部だけでは難しければ、社内アンケートなども有効です。社内で問題になっていることはないか、業務や取引先との関係で問題はないか、どんなことでも構わないので、あらゆる意見を聴いてみることで、思わぬ発見があるかもしれません。
企業は収益を向上させることに、なりふりを構っていてはいけません。
何度も書いていますが、生産性の向上は、言うまでもなく企業の収益に直結するので、手掛けないという選択肢はないと思います。